正月早々

前回も書いた年末年始、鳥取から妹と姪っ子達が遊びに来て、一緒に過ごしたお話の続きです。

無事に年も明け、迎えた元旦。



さすがにこの日はどこもお店がやっていないので、夫と息子も一緒に、みんなで公園に遊びに行った。

大晦日に放送していた「逃走中」に影響され、夫とわたしがハンターで追いかけまくるというミニ逃走中ごっこをやったり、バドミントンをやったりと楽しく過ごしていた。


ところがバドミントンが1セットしかないため、一番下の姪っ子だけが遊べない状況になってしまった。

そこで夫が考えたのが、地面に円を描き、その円めがけてバドミントンの羽根を打つというゲーム。
一番最初にできた人がジュースをもらえるというご褒美付き企画である。

3人とも「いぇーい」と叫び、ゲームを始めた。

しかし、これがなかなか難しく、開始15分でようやく、2番目の姪っ子が成功。

そして、立て続けに上の姪っ子も成功。
残すは一番年下の姪っ子である。


問題はここからであった。
打っても打っても、全然円に入らない。

だんだんと姪っ子も集中力が切れ、投げやりになってきた。

そして、自分だけ入っていないという焦りと悔しさで、ついには泣き出してしまった。

焦る夫とわたし。

しかし、母親である妹は違った。

「そんなんじゃ入んないよ!」
「気持ち切り替えていこう!」

とゲキを飛ばしている。

普段、スポーツ少年団でバレーボールチームに入っている姪っ子。
そして、いつも練習に付き合っている妹。

そのスイッチが入ったのか、夫が始めたわけのわからないゲームに熱血指導が入る。

もはや何のためにやっているのかも分からなくなり、その場にいる全員が、どうか入ってくれと願うばかりだった。


しかし、段々と風も強くなり、50センチ離れたところから打っても入らない状況に。

姪っ子の何度目かの
「もうやりたくない」
で終わることにした。


正月早々に、わけのわからないゲームで悔し涙を流した姪っ子。

姪っ子としては最悪だったかもしれないけど、わたしは少し羨ましくもあった。

悔しくて泣くって、大人になるとなかなかない。

そして、悔しくて泣いた経験がある人って、間違いなく強くなれる人だと思う。


本業であるバレーボールで、この経験がどうか活かせますようにと強く願う叔母である。

 

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