バロメーター

この時期、子供の風邪がかなり流行っているらしく、御多分に洩れず、息子もRSウイルスという風邪にかかった。


鼻水や咳に加えて、高熱が出るので、本当に辛そうだ。
熱も大人には考えられない40度という数字を体温計がたたき出すので、こちらとしてはかなり焦る。

ただ、基本的に対処療法しかなく、飲み物が飲めなくなったり、おしっこが出なくなったり、ひどい肺炎になると点滴や入院するのだが、それ以外は基本お薬で回復を待つしかない。

そして、このRSウイルスが恐ろしいのは、症状のピークが5~7日目ということ。

最初、先生から聞いたときは耳を疑った。

だって、今2日目である。

わたしがアワアワするもんだから
「個人差ありますから」
とダイエットの通販番組のような台詞をかけてもらい、そのときはポジティブに捉えた。

しかし、実際に熱は6日間続いた。

息子自身なかなかしんどかったと思う。
まだ一歳。

どこがどう辛いのか、は伝えることができない。
座薬をいれると熱も少し下がり、遊びはじめたりする。

元気になったかな、お腹空いたかな、と大好きなバナナを渡してみる。

すると、ブンブンと首を横に振るではないか。

あの世界で一番大好きなバナナを
調子がいいと、一日に3~4本いくバナナを
おそらく最初に話した言葉はバナナの「バ」である。

そんなバナナを拒否したのだ。

それほどまでに食欲がなく、喉が痛く辛いということだ。

バナナが、彼の健康のバロメーターである。

バナナをせがむようになったら、元気になった証である。

RSウイルスにかかって1週間、ようやく熱も落ち着き、夜も寝られるようになってきた。

朝、台所にあったバナナに向かって
「バッ!バッ!」
と叫ぶ声を聞いて、母は安心しました。



どうか来年はかかりませぬように。

SHARE: