ゴリラ


先日、ロケで久々にゴリラをリポートしてきた。

ゴリラはこれまで2回ほど、野生の群れを見てきた。

はじめて野生のゴリラを見たとき、そのあまりにも人に近い仕草や行動、表情に感動し、わたしは一瞬でゴリラのファンになった。

なんというか、見ようによっては、中に誰か人が入っているのではと疑うほど人間っぽい。

わたしは今まで、オランウータンやチンパンジー、さまざまなお猿さんに会ってきたが、なぜかゴリラだけに異常に親近感を覚える。

なんというか、話せばある程度は分かってくれる気がする。

もちろんあの身体であの力だから、ゴリラが本気を出したら、こちとらひとたまりもない。
けどどうしても、優しさを感じてしまうのだ。

以前、マウンテンゴリラに会ったとき、20頭くらいの群れを仕切るシルバーバックというリーダーがいた。
絶妙な距離を保ちながら群れの様子を観察していると、そのシルバーバックがしきりに気にしているゴリラがいた。

そのゴリラは片足を怪我して引きずっており、他のゴリラより進むのが遅い。
仲間を気遣い、時に寄り添うように近づき一緒に歩く姿に、わたしは、このシルバーバックと結婚したいと思ったくらいだ。

なもので、今回のゴリラロケはかなり楽しみしていた。
しかも、今まではマウンテンゴリラだったが、今回はローランドゴリラ。

船での捜索だったが、すぐに1頭のゴリラが現れた。

会うなり、船にどれくらいの餌が積んであるのか、立って偵察する姿が愛らしい。

餌を渡すと、なぜかカメラの正面でめちゃくちゃ撮りやすい位置で食べてくれる。
「俺を撮れ」と言わんばかりの表情だ。

今回の目標は、ゴリラのドラミング。
別のゴリラと遭遇し、そのゴリラを観察すると、完璧なタイミングで高らかにドラミングをしてくれた。

そのあまりにパーフェクトなドラミングにこちらが歓喜していると、またもや「ポコポコポコポコ」、おかわりドラミング。

「これだろこれだろおまえらが欲しいのは」
と言わんばかりに連打してくる。

その後も、ゴリラのポテンシャルを魅せまくっている。

水が苦手なゴリラは、我々の船に近づきたいのだが、川がそれを阻む。
するとおもむろに木の棒を取り、川に棒を立てる。
まさかの、川の深さを測っていたのだ。

わたしもたまにするやつ。
思っている以上に知能は高い。
おそるべし、ゴリラ。

今回のロケでわたしは、ゴリラの大ファンになってしまった。

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