ロケで宮崎に行った帰りの飛行機でのこと。
お手洗いに行こうとしたとき、一人のCAさんに話しかけられた。
「イモトさんですよね?」
その方は、10年前の香港便でもわたしを見かけ、話しかけ、手紙も書いてくださった人だった。
そして、それをわたしがインスタグラムに投稿したことを
「あのときはどうもありがとうございました」
と今度は宮崎便のお手洗いの前で、丁寧にお礼を言われた。
その、なかなかない偶然の再会に興奮し
「わたしの方こそ感謝しています」
とお礼とともにゆっくり話でもしたかったのだが…。
宮崎空港でマンゴージュースを一気飲みしたのがあだとなり、膀胱がパンパン状態。
一刻を争う場面。
隠していたつもりだったが、さすがは接客のプロ。
すぐに切羽詰まったわたしに気づき
「ごゆっくりどうぞ」
とお手洗いへと誘ってくれた。
しっかり用を足してから席につくと、先ほどのCAさんが手紙とともに、子供のおもちゃを持ってきてくださった。
手紙には
再会できて嬉しかったこと
この10年で自分も結婚・出産し、育休を経て仕事復帰して、今頑張っていること
これからも応援しています
と嬉しい言葉が書いてあった。
10年の時の流れを感じつつ、またこうしてお互いにやりたいお仕事に就いていて、空の上で再会できたことは、ある意味奇跡だなと感じる。
これまでたくさんの国に行き、世界各国の色んな飛行機に乗ってきたが、わたしは間違いなく、日本の航空会社の接客がナンバーワンだと思う。
それは言葉が通じるからとかではなく、お客様に対する心が単なる業務ではなく、おもてなしなのだ。
マニュアルではなく、人対人で対応してくださる。
今回再会したCAさんも、まさにそうだった。
1時間半という短い時間ではあったが、単なる移動ではなく、思い出になった。
また、どこかの空の上で再会できたらいいなと思う。