先日、久しぶりのアメリカロケに行ってきた。
アメリカといえば、コーディネーターのケイさんである。
以前、「棚からつぶ貝」というわたしの著書でも紹介した、もう15年以上の付き合いになるナイスなガイである。
いつも何かを頬張ってモグモグし
大好きなブルーノ・マーズ風の格好をし
時にはスケボーで颯爽と移動する。
わたしが、何か覚悟がいるようなアクティビティをするときは、進んで「僕一回やってみましょうか」と提案してくれて、それだけでわたしの心は落ち着くのだ。
ケイさんはいつも全力で、損得を重視して生きていないように見える。
コーディネーターの仕事はここからここまで、という線引きをせず、いつも自分の出来ることに最善を尽くしてくれる。
そういう姿勢がクルー全体にも伝わり、役職を超えて、チームの一員として何が出来るかを皆が考え、良き連鎖が生まれる気がする。
今回も、接客態度がひどすぎるホットドック屋さんに、第一陣で行ってくれて、信じられない罵声を浴びせられ、意識が朦朧としながらもホットドックを買ってきてくれた。
また、今回のメインネタであった「素数ゼミの大群を撮影する」というミッションでは、なかなかうまくいかず、クルー全体が困っていた。
カメラマンさんの提案で、蝉が止まっている木を揺らして、蝉を飛ばして写真を撮ろうという作戦になった。
木を揺らすには、まずまあまあな高さの木に登り、全身で揺らせる限りの枝を揺らす。
これがまあ、とんでもなく体力がいる。
すると、わたしより10個上のケイさんが、「僕やりますよ」と木によじ登り、全身全霊で太めの枝を揺らす。
シカゴ中の木を揺らしまくった。
木を揺らしまくるケイさんは鬼気迫る様子で、それがまためちゃくちゃ面白かった。
やっぱりケイさんは変わらない。
数年ぶりにロケをして感じた。
またすぐにでも一緒にロケをしたい。
円安よ、どうか落ち着いてくれと願うしかない。