前回書いた、コラムの続き。
永尾柚乃ちゃんと、柚乃ちゃんのお母さんと行った、マダガスカルのロケ。
前回は、柚乃ちゃんのお母さんの子育てを間近で見て、感心した話を書いたのだが、今回はわたしのしょうもない負けず嫌いが出た物語である。
NGなしで、何でもへっちゃらな柚乃ちゃん。
本当にすごくて、わたしもスタッフさんも驚いていた。
ロケの終盤、マダガスカルで有名なカメレオンで、とある実験をすることになった。
以前わたしもやったのだが、カメレオンの舌の長さを測る実験だ。
餌である昆虫を自分の鼻の上に乗せ、カメレオンに近づいて、虫を食べた瞬間の舌の長さを測るものである。
経験者からすると、結構勇気のいる実験で、カメレオンに近づいて虫を食べられる瞬間は、ドキッとする。
まずこの実験を、7歳の柚乃ちゃんがやること自体が、すごい。
柚乃ちゃんはなんの躊躇もなく、びっくりするくらいでっかいバッタを鼻の上に乗せ、カメレオンに近づいたのだ。
そして、パクッと食べられた。
「良くやった!すごい柚乃ちゃん!」
と思うとともに、38歳の珍獣ハンターの心に、何か赤い火がボッとついた。
まさかの、負けず嫌いである。
自分でも、自分が信じられない。
気がついたら、柚乃ちゃんが鼻につけたバッタより、大きいものを探していた。
しかし、バッタは小さいものしかいなかった。
そこで負けず嫌いのわたしは、一か八かでカマキリを手に取り、鼻に乗せた。
なんというしょうもない行動であろう。
自分でも悲しくなる。
結果、カメレオンは美味しそうに、カマキリも食べてくれた。
一体わたしは何歳まで、この「負けず嫌い」というモンスターを、心に飼い続けていくのだろうか。