時代を逆行するお財布

令和になりいまや時代はキャッシュレスが当たり前。それにともないお財布もどんどんミニマムになっていく。 
わたしもばらつきがあるもののだいたい1~2年に一度お財布を新調してきた。
ある時は「お金持ちは長財布を使う」という風潮に影響され長財布を使ったり、ミニマムブームに乗っかりたばこの箱くらいの財布にしたり、はたまた海外で見たマネークリップに憧れ「マネー クリップと小銭はポッケ」みたいなスタイルでうろついたり。 
財布遍歴は色々だが、今使っているお財布がわたし史上ナンバーワンお財布なのだ。 

その名も「N25」というもの。 
種類でいうとがま口長財布になるのであろうか。とにもかくにも愛おしいお財布なのだ。財布ではなくお財布と言いたくなる。 
きっかけはとあるおしゃれ雑誌を見ていた時。その黒々とした丸みをおびたフォルムに金色の上品な口金。けっして小さくも軽くもなさそうな見た目。 
時代とはあえて逆をいっているが、そこにぶれない芯を感じた。 
まさに一目惚れ。 
すぐさまネットで調べるとわたしのわくわくをさらに助長させる写真や文言。 

「N25の手がけるがま口ウォレットは厳選された革を使い職人が一針一針仕上げる温かみのあるウォレットです」 

ヒイヒイもんだ。 
ネットでももちろん購入できるがやはり毎日使うもの、実際手に取り使い心地を見たい。 店舗を調べるとまさかの群馬の高崎と鎌倉。少しでも近い鎌倉に行くことに。 
ステキなお店の難点はとにかく分かりづらい場所にある。 
グーグルマップとにらめっこしながら行くのだが、もう近いはずなのに一向にたどり着かない。猛暑のなか「ベルーリア鎌倉」とうわごとの様に彷徨う。 
鎌倉なのに通りがかるひともおらず、お店に電話しようかと思ったその時ここは絶対にちがうで あろう小道を入っていくとすてきな一軒家のお店があらわれた。 
お財布が買える喜びというよりは涼める喜びだった。 
一旦落ち着き古民家風の店内を見て回るのだが商品からインテリアから何から何までステキなのだ。 
お客はわたしひとり。店主のかたに「N25」を買いに来た旨を伝え実際に手に取る。 
もうね、持った瞬間にしっくりくるのだ。 
自分の手のサイズに合わせてもらった?と勘違いを起こしそうになる。気になっていた使い勝手もよさげだ。がま口の部分も開けやすいし、収納もたっぷり、なかに別でチャックつきのカードケースも入っているので どうしてもミニマムにしたい時はそれだけでも大丈夫。 
なんの迷いもなく購入を決定。 
そして嬉しいのは革の種類、色、口金のサイズなど自分で決められて一個一個すべて手作業で作られるということ。 
そのため手元に届くまでに約三ヶ月かかる。それもまたよいではないか。 
性格上買ったらすぐ使いたくなるのが、この待つという行為がよけいにそのものに愛着をわかせるのだ。 



使いはじめて一年経つがいまだに手に持つとわくわくする。だんだんと革も馴染んできて持ってるだけで気持ちいいのだ。 
あとお買い物をした時レジの方にかわいいお財布ですねと声をかけられることが増えた。 そのたびになんだかとても誇らしくなる。 

時代には逆行しているかも知れないが、このお財布を持つことで流されない自分自身も保てそうなのだ。 

どこかぶれない部分を持つということをこのお財布に教わった気がする。





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